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営業倉庫

テント倉庫は営業倉庫として利用できる?必要な登録・申請について解説

輸送や配送を行う物流業界において、貨物を保管する「倉庫」は欠かせない存在です。特にEC市場が拡大するなか、貨物の保管場所としてだけではなく宅配便などの一時保管場所としても利用が増えていて、ますます重要な役割を担うようになっています。今後も物流業界において倉庫の高い需要は続くことが予想され、営業倉庫の存在意義は大きなものです。

ただし営業倉庫を建設しようと思っても、建設の認可を受けるにはさまざまな基準をクリアする必要があります。また手続きも複雑で手間がかかり費用もかかります。

その点、テント倉庫は基準に柔軟に合わせやすいことなどもあり、営業倉庫としての利用に適しています。この記事ではこれから営業倉庫の建設を検討している人に向けて、営業倉庫の登録や申請、それに関わる法律やテント倉庫の特徴について詳しく解説します。

テント倉庫に関する基本的な知識は以下のページに詳しく記載しております。合わせてご参考ください。

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テント倉庫

テント倉庫とは?用途や構造、メリット・デメリットを解説

営業倉庫とは?

営業倉庫とは倉庫業を営むために使用する倉庫です。倉庫は保管物の使用者により大きく2つに分類され、倉庫の所有者や使用者以外の物を保管する倉庫を「営業倉庫」といいます。一方倉庫の所有者や使用者自身の物を保管する倉庫は「自家用倉庫」です。

営業倉庫の主な特徴は3つあります。1つ目は一般建築物よりも厳しい基準を満たした施設や設備であることです。2つ目にはサービスを提供するにあたり、約款を定め国土交通省による登録を受けなければならない点も特徴として挙げられます。3つ目は保管物の火災保険を荷主ではなく倉庫業を営む業者が負担しなければならないことです。

倉庫業の種類

倉庫業の種類

倉庫業は保管する物品の内容によって大きく3種類に分類されています。ここでは各種類の特徴や保管対象となる物品について紹介します。

普通倉庫業

普通倉庫業は保管対象となる物品の種類がもっとも幅広い倉庫業です。そもそも倉庫業は法律上ではさらに細かく分類されていて、その分類では1~3類倉庫、野積倉庫、貯蔵槽倉庫、危険品倉庫、トランクルームなどを運営する事業が普通倉庫業に該当します。

産業別にみると農業、鉱業、製造業などの物品を扱う事業です。保管品は企業の所有物だけではなく家財など消費者の財産も対象となります。

冷蔵倉庫業

冷蔵倉庫業は低温に維持した庫内で物品の保管や管理を行う倉庫業です。10度以下での保管を必要とするものが保管対象となっています。具体的には低温保管が必要な食肉や水産物などです。また名前は冷蔵となっていますが、保管の条件は10度以下であり温度条件に下限はありません。そのためマイナス18度以下での保管が必要とされる冷凍食品なども保管対象となります。

水面倉庫業

水面倉庫業は水面を保管場所として提供する事業です。保管対象となるのは原木などの第5類物品で、一般的にみられるような建物ではなく水面貯木場で預かります。水面貯木場とは海の一部などを利用した施設です。預かった原木は、海などを築堤で囲ったエリア内の水面に浮かせて保管します。さらに保管場所には照明などの装置も設けられています。

営業倉庫に関わる法令と必要な申請・登録

営業倉庫に関わる4つの法令

営業倉庫を運営する際にはそれに関わる法令を事前にきちんと押さえておかなければなりません。ここでは主な4つの法令の概要と、法令上必要となる登録や申請について解説します。

倉庫業法

倉庫業法は物流を支える倉庫業が、適正に営まれるために定められた法律です。倉庫を利用する人の利益を保護することなどを目的としています。

倉庫業を営む場合、国土交通大臣による登録を受けることが規定されていて、登録には申請が必須です。倉庫業登録申請書を作成して必要書類とともに地方運輸局または運輸支局に提出し登録の審査を受けます。ちなみに登録できるのは以下の3つの条件をすべて満たしている人です。

1つ目の条件は欠格事由に申請者が該当していないことです。一定の刑事罰や倉庫業法違反の取り消しを受けていたりすると登録できません。

2つ目は倉庫の施設や設備が倉庫の種類ごとに定められている基準を満たしていることです。

3つ目には倉庫管理主任者の選任が確約できることも必須とされています。例外はあるものの各倉庫に1人の設置が原則です。

建築基準法

建築基準法は建築物を建てる際に守るべきルールが定められた法律です。国民の生命や健康、財産を守ることなどを目的とし、建てられる建築物の条件が明記されています。倉庫は法規上建築物に該当するため、倉庫業を営む際には建築基準法もあわせて遵守しなければなりません。

法律を守った建築かをチェックするために、倉庫を含め建物を建てる際には事前に建築確認を行うことが義務付けられています。建築確認を行うことが求められているのは、面積が10平方メートル以上の建築物で、一般的な倉庫はほとんどの場合該当するため通常は申請が必要です。

該当する場合は、行政機関の担当課へ必要書類を提出して「建築確認申請」を行います。申請を行うと特定行政庁の建築主事または民間の指定確認検査機関へ依頼が行き、基準をクリアしているかの確認が行われます。

消防法

消防法は火災から国民を守り、被害を軽減させることなどを目的に制定された法律です。法律では営業倉庫の広さに応じて設置しなければならない消防設備の規定があります。以下が延床面積ごとにまとめた設置義務のある消防設備です。ちなみに消防法では150平方メートル未満の建物には消防設備の設置が義務付けられていません。

  • 500平方メートル未満:消火器
  • 500平方メートル以上:消火器・火災報知器
  • 700平方メートル以上:消火器・火災報知器・屋内消火栓

さらに事業開始後も継続的な定期点検が求められています。点検者となれる条件は建物の用途や広さなどによって変わりますが、消防設備士や消防設備点検資格者に依頼すればすべてのケースに対応してもらえるため安心です。また点検が終わったら結果を消防庁や消防署長に報告しなければなりません。

都市計画法

都市計画法は都市づくりを計画的に行うために制定された法律で、建築できる建物の種類や用途を土地ごとに制限した用途地域が規定されています。そもそも全国の土地は「都市計画区域」と「都市計画区域外」の2つに分けられていて、都市計画区域外のうち乱開発を防ぎたいエリアとして指定されているのが「準都市計画区域」です。都市計画区域は都市計画を今後実施するエリアを、都市計画区域外はそれ以外のエリアを指します。

さらに都市計画区域は「市街化区域」「市街化調整区域」「非線引き区域」の3つに分類されていて、このうち用途地域が定められているのが準都市計画区域、市街化調整区域、非線引き区域の3区域です。

用途地域は12種類あり、営業倉庫の営業は「準住居地域」「近隣商業地域」「商業地域」「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」の6地域のみで認められています。既設の倉庫を営業倉庫として利用する場合でも例外ではないため、検討している場合には事前に建築確認済証の「用途地域欄」を確認しておきましょう。

テント倉庫は営業倉庫に適している

テント倉庫

物の消費がある限り需要が欠けることのない倉庫業は魅力ある事業ですが、営業倉庫を使うためには必要書類や確認事項が多い登録や申請が必要です。ただしテント倉庫は建築基準を考慮しながらニーズにあわせて建てられるため、できる限り負担を抑えて営業倉庫を始めたい人に向いています。

テント倉庫とは?

テント倉庫とは屋根や外壁部に膜材料が使用された、倉庫利用を目的に建てられる建築物です。軽量鉄骨を組み立てた基礎構造にシート状の膜を張って作ります。形状にも規定があり国土交通省告示第667号「構造方法に関する安全上必要な技術的基準」に適合していなければなりません。

たとえば延べ床面積は1000平方メートル以下、階数は1階だけの平屋、軒高は5メートル以下であることが決まりです。そのほか屋根の形状や出入り口の窓の面積などにも規定があります。

テント倉庫のメリット

通常の倉庫とは造りが異なるテント倉庫には特徴を生かしたさまざまなメリットがあります。ここでは主な5つのメリットを紹介します。

工期が短い

テント倉庫は基礎工事をしたら、鉄骨を組み立ててシートを張るだけで完成します。地盤が弱いところに倉庫を建てる場合、一般的な工法では基礎工事の際に杭工事も行わなければならず、その分だけ工期は長くなります。しかしテント倉庫は軽量であるため、特別な問題がない限り杭工事は不要です。

このようなことから、テント倉庫は通常であればシステム建築やプレハブ建築など、ほかの倉庫と比べて工期が短く手軽に建てられます。基礎工事の前に行う建築確認申請の期間を含めても完成までの期間は2~3ヵ月程度です。

コストが抑えられる

テント倉庫は構造がシンプルで、建築材料が軽量であるため人件費がかかりません。組み立ても建築材料の運搬も少人数で対応できるからです。杭工事も不要で完成までの工程が少なく、工期が短いことも一般的な倉庫に比べて人件費を抑えられる理由です。

倉庫業の開業には倉庫の建築費以外にも事務所の設置にかかる費用、設備費、宣伝費、従業員を雇用すれば人件費などもかかります。倉庫の建築コストを少しでも安くして初期費用を抑えられることは、これから倉庫業を始める人にとって大きなメリットとなるでしょう。

形の自由度が高い

テント倉庫の骨組みは、組み立ての自由度が高いためさまざまな形状の敷地に対応しやすくなっています。形状に選択肢が少ないほかの倉庫では対応が難しい三角形やゆがんだ形の土地でも建てられる可能性が高い点がメリットです。

屋根の形も大きく分けて3種類あり、必要に応じて選べます。まず三角形の形をしているのが「切り妻」です。もっとも一般的な形状であるためほかの形状よりも早く安く建てられます。また弧を描いたような丸みを帯びた形をした「円弧」は、デザイン性に優れ完成時の高さが切り妻より低いことが特徴です。そして「片流れ」は左右に高さの差があるため雨や雪などが滑り落ちやすくなっています。

室内が明るい

使用するシートの選び方によって、採光を調整できる点もテント倉庫ならではの魅力です。透明性の高い生地を使えば照明がなくても室内を明るくできます。日中は太陽の光に頼れば電気代を節約することも可能です。

また使用するシートは部分的に変えることもできます。屋根や壁面の一部分だけを透明なシートにすれば、倉庫内から外の景色をみえるようにしたり適度な明かりを倉庫内に入れるようにしたりと、倉庫内の環境を調整するのに便利です。

耐震性に優れている

テント倉庫は軽量であるため、一般的な建造物と比べて耐震性が高いのが特徴です。テント倉庫の安全性は「一般社団法人日本膜構造協会」の調査でも確認されています。

倉庫は利用者から預かった大切なものを保管し管理する場所です。日本は地震が多いことを考えても、耐震性が優れていることはいざというとき安心につながります。ただし倉庫は日々屋外で使用しているものであるため、経年劣化に備えて定期的に耐震診断を受けることをおすすめします。

まとめ

営業倉庫の建築を検討しているのであれば、初期費用を抑えられ工期が短いテント倉庫がおすすめです。建築予定の敷地が複雑で倉庫を建てられるか悩んでいる場合でも解決できることがあります。

OSテックはテント倉庫の提案から設計、製造、施工、さらにはメンテナンスまで一貫したサービスを提供している倉庫メーカーです。高い耐久性を持ったオリジナルのシートの使用や、高強度なパイプ構造により安心して預かり品の保管や管理ができます。

設置するテント倉庫は規格商品を使わず、すべてオーダーメイドのため敷地の形や使用目的などにあった倉庫を建てることが可能です。また、日本国内どこでも対応可能です。建築確認申請が必要になった場合には面倒な申請手続きの代行もいたします。テント倉庫の新設をご検討している方はぜひご相談ください。

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