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テント倉庫

テント倉庫とは?用途や構造、メリット・デメリットを解説

一般的にテント倉庫(大型テント倉庫やシート倉庫、テントハウスと呼ばれることもあります)とは、鉄骨の躯体に屋根や外壁に帆布(シート)を使った建築物です。在来工法に比べ、低コストかつ短期間での施工が可能なため、さまざまなところで活用されています。

テント倉庫の建築には使用用途をはじめ、建築面積や建築場所などによって条件が異なります。そのため、テント倉庫を建設する際は一般的な建築物同様に建築確認申請も必要となります。

この記事では、テント倉庫の特徴について解説します。具体的にどのような条件が定められているのか説明しながら、テント倉庫のメリット・デメリットについて紹介します。テント倉庫に関するよくある質問についても触れているので、テント倉庫の建設を検討する際の参考として役立ててください。

OSテックのテント倉庫についてはこちら

テント倉庫とはどんな建築物か?

テント倉庫は、平成 14 年 7 月 23 日国土交通省告示第 667 号 「テント倉庫建築物の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める等の件」(以下、第667号)に基づいて建てられた建築物です。軽量鉄骨で組み立てた骨組みに対してシート上の膜を張っています。第667号ではテント倉庫の広さや形に加え、使用用途についても条件を定めています。簡易的な構造ですが、それぞれの基準を満たしたうえで建築確認申請を行わなければなりません。

テント倉庫の用途

テント倉庫の用途

基本的にテント倉庫はものを保管するための倉庫として使用します。具体的な用途をあげると以下のとおりです。

  • 建築機械整備場
  • 電気・金属
  • 運輸・海運業の保管庫
  • 各種製造業の材料
  • 半製品・完成品などの簡易倉庫
  • 食品などの販売業の商品倉庫
  • 製品仕分け場

このようにテント倉庫は業界を問わず多くの企業が活用しています。それぞれの用途や土地の形状にあわせた設計が可能なので、幅広い使い方を実現できます。

 

テント倉庫の特徴

テント倉庫の特徴

消防設備等などをつけることにより工場やその他の目的使用も申請可能です。
例)ドッグラン・室内練習場・ショールームなど

前述した第667号においては、テント倉庫は「使用目的」が倉庫であることが定められています。また鉄骨造の骨組みに膜材料を張り、すべての側面に壁や屋根を設ける必要があります。膜材料は建物の長手方向に3m以下の間隔で配置した鉄骨造の骨組みに定着させます。さらにテント倉庫は1階建てであり、延べ面積が 1,000 ㎡以下、軒の高さが 5m以下です。屋根の形式として認められているのは、切妻屋根、片流れ屋根、円弧屋根の3種類です。

膜材料の基準

テント倉庫には必ず膜材料を使用する必要があり、クリアすべき基準が第667号によって定められています。具体的には国土交通大臣認定している厚さ0.45mm以上の防炎認定生地や、厚さ0.5mm以上の不燃認定生地などです。伸縮式のテント倉庫の場合、折りたたむ膜面にガラス繊維は使用できません。

ただしテントに保管するものの種類やテントを建てる地域によっても、膜材料に対する基準は変化します。倉庫の大きさによっても使える膜材料の基準は異なるので注意しましょう。周辺の施設で火災が発生した際に延焼する可能性があれば、さらに使用できる膜材料が限られる場合もあります。

膜天井の特徴についてはこちら

膜材料の生地

膜材料は先述のとおり、防炎シートと不燃シートがあり、テントで保管するものやテントを建設する地域、大きさなどによって異なります。

使用する膜材料は、Serge Ferrari社による特許技術、プレコントラン製法を用いたシート(OSカスタムFR1)はもちろん、カラーバリエーションの豊富なシートも用意されています。

テント倉庫の生地について

骨組鋼材の基準

骨組みに使用する鋼材は、日本工業規格(JIS)に適合するものでなければなりません。ただしJIS企画に適合する鋼材と同等以上の品質が認められた場合は、その他の鋼材でも使用可能です。

骨組みの鉛直部材の張り間方向の間隔は基本的に8m以下です。ただし構造計算により安全が確認された場合は、間隔を最大で30mにできます。可動式膜面部分についても構造耐力上の安全が確認されれば間隔を最大で20mにできます。

OSテックの重量角パイプ構造の柱の特徴

テント倉庫の基礎工事

テント倉庫の基礎工事は直接基礎と杭基礎があります。通常であれば杭を使用しない直接基礎でも問題ありませんが、地盤の状態によっては杭を使用する杭基礎が必要です。ここではそれぞれの基礎工事の方法や特徴について解説します。

直接基礎

安定している地盤に対して直接基礎を作ります。テント倉庫に限らず低層の建物を建てる際によく活用されている方法です。

直接基礎はさらに独立基礎・布基礎・ベタ基礎にわかれています。独立基礎と布基礎には、建物の基礎にかかる重さを分散するために基部を幅広くしたフーチングが使用されています。そのため建物全体の重さをしっかりと支えることが可能です。

一方、ベタ基礎は底に鉄筋コンクリートを敷いて建物を支えます。安定した土地にテント倉庫のような低層の建築物を建てる場合、ベタ基礎でも問題なく支えられます。

杭基礎

比較的地盤の弱い場所に建物を建てる際は、杭を地面に打ち込む杭基礎が採用されます。杭にフーチングを組み合わせて建物の安定性を高める方法です。

杭基礎は、さらに既成杭工法と場所打ち杭工法にわかれています。既成杭工法は工場で製造された杭を使用する方法であり、打ち込み杭工法、埋め込み杭工法、回転杭工法などがあります。それに対して場所打ち杭工法は地盤に穴を開けて鉄筋を入れる方法です。オールケーシング工法やリバース工法などがあります。

テント倉庫の建築確認申請

テント倉庫の建築確認申請

テント倉庫を建てる際は、建築基準法に基づき建築確認申請を行う必要があります。特定行政庁または民間の建築確認検査機関へ申請し、テント倉庫が法律や条例に適合していると認められなければなりません。建築確認申請の具体的な流れは以下のとおりです。

  1. 建築確認の申込みをする
  2. 自治体が書類を確認する
  3. 「建築確認済証」が交付される
  4. 工事を着工し、建物が完成する
  5. 完了後の審査を申請する
  6. 検査が実施され、「検査済証」が交付される
  7. テント倉庫の使用を開始する

テント倉庫を建てる際は建築確認申請が必須であり、審査や検査を行わずに建設すれば違法建築となります。ただし床面積10㎡以内のテント倉庫を防火地域や準防火地域以外の場所に増築する場合、確認申請は必要ありません。改築や移転する場合も同様です。また移動式や仮設式のテント倉庫についても、確認申請が必要ない場合があります。

第667号ではテント倉庫に関する条件を細かく定めており、地域によって使える膜材料も異なります。テント倉庫を建てる際は、単にテント倉庫を建てるだけでなく建築確認申請まで任せられる施工業者に依頼することをおすすめします。

テント倉庫の建築確認申請に関しては以下のページに詳しく紹介しております。

テント倉庫の建築確認申請

大型テント倉庫

大型テント倉庫の場合、間口を広くとれることや床面積を大きくとることが可能となります。構造計算を行うため、高さも5m以上で設定るすることが可能です。
例えば、高さ(H)6m×間口(W)20m×奥行(L)30mの大型テント倉庫も施工可能です。
もちろん、上記以上のサイズでも施工は可能です。
ただし、先述のとおり、テント倉庫も10㎡以上のものについては、建築確認申請が必要になります。さらに大型テント倉庫となりますと、構造計算書の添付や消防設備の設置が必要になります。

 

構造計算書と消防設備

床面積 構造計算書の添付 消防設備
200㎡~499㎡ 必要 消火器
500㎡~699㎡ 消火器、自動火災報知機
700㎡~ 消火器、自動火災報知機、屋内消火栓

 

※使用用途や保管物、所轄の消防との協議によりその他消防設備が必要になる場合があります。
ご利用用途やご検討されている寸法をご連絡いただければ、無料で御見積りいたしますので、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。

 

テント倉庫のメリット・デメリット

テント倉庫にはメリットとデメリットの両方があります。具体的にまとめると、以下のとおりです。

メリット

  • 一般的な建築物の半分以下の納期で完成する
  • 施工費やランニングコストが安い
  • 敷地の自由度が高く変形地にも建設できる
  • 耐震性が高い
  • 透光性の生地を使用すれば照明を設置しなくても明るい

デメリット

  • 夏は暑くなりやすく冬は寒くなりやすい
  • 寒暖差によって結露が発生し、保管しているものに影響する可能性がある
  • シートが劣化すれば張り替えのコストがかかる

デメリットに関しましては、後述するオプションにより改善することができます。

テント倉庫のオプション

テント倉庫は、保管するものや使い方にあわせてさまざまなオプションを追加できます。
オプションを追加すれば、より使い勝手のいいテント倉庫を建てられます。具体的なオプションの内容は施工業者によっても異なりますが、一般的なオプションの例をあげると以下のとおりです。

  • 扉(引き戸、心材カーテン、スライドカーテン、アルミドア、シャッターなど)
  • 窓(サッシ窓、採光窓)
  • 換気扇
  • 吸気口
  • ヒサシ
  • 雨どい
  • 内幕

オプションを追加することで、よりテント倉庫を便利に、快適に活用することができます。例えば、デメリットとして挙げたテント倉庫内の温度や内外の寒暖差に関しては、換気扇やベンチレーター、サッシ窓を設置することで改善することが可能です。また、扉1つとっても開口や出入りの頻度によって適した製品は異なります。施工業者と相談しながらテント倉庫の目的にあうオプションを選びましょう。

以下の記事でテント倉庫のオプションについて詳しくご紹介しています。 ぜひご参考ください。

テント倉庫のオプションの種類を紹介 どんなものが付けられる?

テント倉庫の結露対策

テント倉庫の中と外の温度差が大きいと結露しやすく、テント倉庫のシートにカビが生えたり、金属部分が錆びたりしてしまいます。
ベンチレーターを設置するなどの対策が効果的です。
テント倉庫の結露対策については、こちらをご覧ください。

 

もっと幅広い用途で使用するためには

もっと幅広い用途で使用するためには

テント倉庫は倉庫として利用するほか、一定の基準を満たして申請すればさまざまな用途で使用可能です。特に、雨風をしのげる広いスペースを設けたい場合に幅広く活用できます。 例えば、航空機や自動車、トラックなどの格納庫として活用できます。荷捌き場やトラックターミナルといった用途にも使えるほか、ショールームとして使いたいというニーズにも対応可能です。 ほかにも、ドッグランやスポーツの室内練習場としての施工も可能です。最近ではフットサル場やテニスコートとしての運用を目的として施工されるほか、室内練習場の施工にあたり、一般建築物より建築費を下げて施工したいというようなご希望を頂くこともございます。 次項で、用途ごとの施工事例についていくつかご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

テント倉庫の施工事例

OSテックのテント倉庫施工事例をご紹介します。

航空機格納庫専用の大型テント倉庫

北海道の帯広空港で施工した航空機格納庫の事例です。

扉が横にスライドして開くハンガードアとなっているため、開口を広くとることができます。

OSテックの鉄骨は角パイプ構造という独自の使用のため、他社製のテント倉庫より倉庫内の有効スペースを広く取れるのが特長です。

航空機格納庫専用の事例を見る

ショールーム専用のテント倉庫

兵庫県の中古車販売会社様のご依頼で施工したショールーム用のテント倉庫です。

テント倉庫とは
中古車販売のショールームは広いスペースが必要です。しかし、一般的な建築物として施工すると費用がかさみます。テント倉庫での施工であれば、コンクリートの建築物よりも費用を下げ、かつ短納期での施工が可能です。こちらのテント倉庫の場合は1.5ヵ月で施工いたしました。

室内練習場専用のテント倉庫

静岡県の社会人ラグビーチームから依頼を頂いて室内練習場を施工した事例です。


室内練習場のため、一般的なテント倉庫とは異なり、人工芝を 敷いて防球ネット仕様にしています。テント倉庫の膜材は一般的な屋根とは異なり太陽光を通します。日中の室内空間を自然な明るさに保てるため、スポーツを行うのにぴったりの環境が整えられます。

テント倉庫の活用事例インタビュー(静岡ブルーレヴズ)

上記以外のテント倉庫の実績も数多くございます。施工事例一覧ページよりぜひごらんください。

テント倉庫の施工事例一覧

テント倉庫に関するQ&A

テント倉庫については、多くの人が抱きやすいさまざまな疑問があります。ここではテント倉庫に関するQ&Aを紹介するのでぜひ参考にしてください。

Q.耐用年数は何年ですか?

A.テント倉庫に張られた膜材料の耐用年数は15~20年程度です。

膜材料は常に外にさらされており、紫外線や雨風の影響を受けて少しずつ劣化していきます。そのため15~20年程度で張り替えが必要です。ただし使用状況によって劣化の進行速度は異なります。それほど年月が経っていなくても、生地に亀裂ができたり雨漏りしたりしている場合は寿命のサインです。放置していると倉庫で保管しているものにも影響が及ぶ可能性があるため注意しましょう。
テント倉庫の耐用年数に関してはこちら

Q.納期はどのくらいですか?

A.目安は3ヵ月程度です。

テント倉庫の大きさによっても納期は変化しますが、およそ3ヵ月程度が目安となります。これは建築確認申請、基礎工事、鉄骨の組立て、シート張り工事までを含めた期間です。床面積が100㎡未満の小型のテント倉庫であれば、2ヵ月程度で納品できます。またシートの張り替えのみの納期は数週間から1ヵ月程度です。
テント倉庫の施工期間に関してはこちら

Q.テント倉庫にも火災保険は必要ですか?

A.万が一に備えて火災保険への加入をおすすめします。

テント倉庫にも火災、水災、震災などさまざまなリスクがあるため、保険に加入しておいたほうが安心です。テント倉庫の火災保険は施工業者が提案してくれます。すでに加入している火災保険がある場合は、保障内容の重複や漏れがないか細かいところまでチェックしましょう。

Q.テント倉庫にも消防設備は必要ですか?

A.消防法により不燃物を保管する場合は消防設備が必要だと定められています。

必要な消防設備の種類は床面積によって異なります。500㎡未満なら消火器、500㎡以上なら消火器と火災報知器、700㎡以上なら消火器、火災報知器、屋内消火栓が必要です。

Q.豪雪地域でもテント倉庫の建設はできますか?

A.積雪対策を施しているテント倉庫があります。

雪の重さでテント倉庫が倒壊しないよう工夫されているため安心です。具体的には雪が屋根から滑り落ちやすくし、雪の重みで幕がたわまないように工夫されています。

詳しくはこちらをご覧ください。

積雪に強いテント倉庫の条件は? 

弊社では、実際に北海道帯広空港内に積雪対策を行ったテント倉庫を格納庫として設置させて頂きました。

Q.テント倉庫に固定資産税などは掛かりますか?

A.建築確認申請を行い建築するため、固定資産税はかかります。
テント倉庫の固定資産に関してはこちら

Q.テント倉庫の防犯性は大丈夫ですか?

A.シート生地のため、カッターやハサミなどで切れてしまいますので、対策として、内側に防犯用のパネルなどを貼って対策しているお客様もいらっしゃいます。

Q.テント倉庫は地震があっても大丈夫ですか?

A.シート生地で軽いため、地震には強いです。

Q.テント倉庫は台風に強いですか?

A.テント倉庫自体の耐久性は高いので、台風でも簡単に壊れることはありません。万一シート膜に飛来物によって破損しても、部分改修で済むことが多く修復費用が少なくて済みます。

Q.テント倉庫の台風への対策はどのようにしたらいいですか?

A.台風シーズンが本格化する前に、テント生地の確認を行っておきましょう。生地のたわみ、劣化があったら生地の張り替えや鉄骨の補修などを済ませると安心です。

テント倉庫は台風に強い?台風対策や破損時の修理について

Q.メンテナンスは必要ですか?

A.使い始めてから10年が過ぎたらメンテナンスを検討するようにしましょう。テント倉庫の劣化をチェックするうえで、見るべきポイントは「骨組み」「テント」「引き戸」の3点です。それぞれの状態をよく確認し、問題があった場合は早急に対処するようにしましょう。

詳しくは「テント倉庫のメンテナンス方法は?長持ちさせるポイントを紹介」

Q.テント倉庫は農業用としても利用できますか?

A.利用可能です。テント倉庫は農業の現場でも活躍しています。農機具資材置き場や畜舎、堆肥施設など様々なシーンでご活用頂けます。

詳しくは「農業向けテント倉庫の利用方法や事例、メリットを解説」

まとめ

テント倉庫にはさまざまな基準が設けられているため、それぞれを守って建設する必要があります。変形地にも建てられるので、空いているスペースを有効活用するために役立てられます。

この記事では一般的なテント倉庫に関してご案内しましたが、OSテックでは、さまざまな用途・ご要望に応じてテント倉庫をご提案できます。例えば、一般的なテント倉庫の広さや形は国土交通省告示第667号で定められていますが、膜構造物で確認申請を取得しておけば敷地に合わせた変形構造での施工も可能です。また、専属の一級建築士が設計するため、安心して利用できるテント倉庫を建てられます。倉庫以外の使用目的にも対応しているので、幅広いオーダーが可能です。建築確認許可を得ており、建築確認申請も可能です。

また、当社が全国で唯一採用している重量角パイプ構造は、強度が高く、スペースが最大限まで有効利用でき、かつコスト面でも従来の構造と比較して優位性が高くなっています。他社のテント倉庫では20mのテント倉庫幅に対して有効スペースが18.5mのところを、OSテックの重量角パイプ構造であれば、19.6mの有効スペースを確保することが可能です。

詳しくはこちらをご覧ください。

弊社のテント倉庫の強み「高品質なテント倉庫

目的にあわせたテント倉庫を建設するために、ぜひOSテックにご相談ください

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